上海市など
中国本土の一部と香港、マカオ、東南アジア諸国連合(ASEAN)を対象に、
7月に試験的に解禁された「
人民元建て貿易決済」が低迷している。
厳格な事前審査や複雑な手続きなどが敬遠されているためで、
鳴り物入りでスタートした
人民元国際化への第一歩はつまずいた格好だ。
米ドルなど外貨が基準だった貿易代金の決済を
人民元建てで行うしくみで、
先月6日の解禁時には
中国銀行や上海電気など大手が相次ぎ、
香港や東南アジア企業との取引を
人民元に切り替える契約に調印した。
巨額の貿易黒字や、2兆ドル(188兆円)を上回った世界一の外貨準備高を背景に、
人民元が国際通貨として認知されるとの期待が強かった。
しかし実際には、決済地が
中国本土では上海市のほか広東省の広州、
深セン、珠海、東莞の4市に限定されたほか、
煩雑な手続きに二の足を踏む貿易業者も多く、
これまでに制度を利用した企業は約400社しかない。
上海夕刊紙、新聞晩報によると、
利用額は約2カ月でおよそ1億元(約14億円)にとどまった。
中国銀行広東支店の場合、スタート直後こそ1日の取扱額は700万元に達したが、
その後は1カ月間の取扱額を合計しても100万元に満たない水準まで落ち込んでいるという。
こうした事態を受け、
中国人民銀行(中央銀行)では、
税関当局と
人民元決済のための新たな情報管理システム構築に着手するなど
テコ入れ策の検討に入った。
問題となっている輸出税の払い戻し手続きの簡素化や事前審査で
人民元決済の取り扱いを認める企業の規模を中小まで拡大することも検討しているという。
一方、
天津市などが対象地域に加えるよう要望する動きもあるが、
貿易の決済通貨として
人民元が国際的に認められるまでにはまだ時間がかかりそうだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090903-00000049-yom-pol