こんな記事がありました。
人民元上昇、3年で18%:1ドル6元台の意味4月22日15時14分配信 サーチナ・中国情報局為替相場の潮流変化と人民元問題 第12回−三宅輝幸(和光大学教授)
緩やかながら着実な上昇基調を続けてきた人民元の為替相場が、4月10日、ついに1ドル=6元台に突入した。米国などから引上げ圧力が続くなか、人民元改革の2005年7月以降の元の対ドル上昇率は18%に達し、上昇の幅としては一定の意味のあるものとなった。すなわち、米国などからは「3年近くも要して、ようやく18%か」という不満はあろうが、為替相場が一貫して上昇し、20%近くにもなったというのは、一定の効果があるからである。為替相場に経済が大きく揺さぶられたわが国のケースを考えると、その重要度がわかる。
ニクソン・ショックからスミソニアン体制への移行、さらに再度の固定相場の崩壊からプラザ合意直前までは、途中にカーター・ショックの170円台という極端な円高局面も含まれるが、それぞれ20%前後の円の上昇である。状況はまったく異なり、影響度合いもかなり違うが、日本はこの過程で労働集約型の低付加価値産業である繊維、雑貨、玩具などの業種が国内から消えた。こうした業種に従事していた企業や従業員には申し訳ないが、日本経済はその後も大きな発展と成長を遂げている。
しかも、付加価値の高くなかった企業が技術を開発して、新技術による新たな産業を起こして生き延びているケースも少なくない。業種の転換や技術の開発は容易なことではないが、マクロ的に見て経済が発展することがその国が生き延びる基本である。そうなると、自国通貨が上昇するなかでは、通貨高に耐えうる経済への構造転換が必要である。特に現在の
中国の場合、人民元のさらなる上昇が予測される。経済構造の転換に成功しなければ、
中国経済の成長は継続できまい。
人民元改革では、人民元は主要通貨の通貨バスケットに連動しながら管理フロートすることになった。しかし、人民元は対ドルでの上昇に対して、対円相場ではほとんど変動していない。対ユーロに至っては人民元が下落している。人民元がかなりの幅で上昇したように見えるが、実は一人負けしているドルに対してある程度の上昇を示しただけともいえる。
こう見てくれば、人民元がさらに上昇を続けることは避けられまい。数字ほどの痛みが、まだ出ていないうちに、早期に産業構造の転換と国内消費需要を喚起する構造改革を進める必要があろう。時間を稼ぐ余裕はない。(執筆者:三宅輝幸)
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